入力と出力は別の筋肉
読むことと聞くことで積み上げたものは、話す力へ自動的には移りません。理解できる表現と自分で取り出せる表現の間には大きな隔たりがあり、その隔たりは実際に取り出す練習でしか縮まりません。試験の点数は高いのに言葉が出てこないのはここから来ます。
知っている単語は多いのに口が動きません。入力と出力が別の力である理由。
読むことと聞くことで積み上げたものは、話す力へ自動的には移りません。理解できる表現と自分で取り出せる表現の間には大きな隔たりがあり、その隔たりは実際に取り出す練習でしか縮まりません。試験の点数は高いのに言葉が出てこないのはここから来ます。
単語を一つずつ覚えて文を組み立てようとすると、毎回時間がかかります。母語話者もほとんどの言葉は、よく使う表現のかたまりをそのまま取り出して話しています。「〜したほうがよさそうです」「それは場合によります」のようなかたまりを丸ごと覚えておけば、組み立てる時間がなくなります。
母語で文を作ってから訳す方法は、どうしても遅くなります。知っている表現の中で言い切る練習が先です。言いたいことが複雑なら、単純に縮めてでも最後まで言うほうが、完璧な文を作ろうとして止まるよりずっとよいです。
相手がいなくても出力の練習はできます。今日したことを声に出して説明する、写真1枚を見て描写する、短い動画を見て内容を要約して話す、といった方法があります。録音して聞き返すと自分が繰り返す間違いが見えますが、この間違いはたいてい数個なので、直せばすぐ変わります。
文法を間違えるのが怖くて言葉を止めると、練習量そのものが減ります。最初は通じることが目標で、正確さはある程度話せるようになってから整えるほうが順番として自然です。ただし固まってしまうと直しにくい部分もあるので、よく指摘される間違いはその都度書き留めておくとよいです。
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